2015年1月24日土曜日

平和を祈る。


日本が、大変なことになっています。・・と書いてもいまいちピンと来ない人もいるかもしれませんが。イスラム国の件です。


日本人二人がイスラム国に拘束され、身代金2億ドルを要求されましたが、支払い期限の72時間はとうに過ぎました。今のところ二人の安否は不明ですが、少なくとも死亡との情報がまだ出ていないことは、ギリギリの救いです。


僕は、2008〜9年の世界一周の際に、中東にも一ヵ月ほど滞在しています。今回の件でわかるように、シリアはもはや入国できないほどの危険地帯になってしまいましたが、僕が尋ねた6年前の時点では、とても素晴らしい国だったのです。親日的な国民性で、みな優しく、フレンドリーで、たいへん居心地が良かったのです。

特に、今はイスラム国が制圧したと言われている北部の都市アレッポは、僕は当時、たくさんの友達ができましたし、よい思い出しかないような場所なのです。だから自分は特別だというわけではありませんが、他の方と比べれば、今回の件で心を揺さぶられているレベルは、かなり高いと思われます。


シリアでは、多くの現地人から、米英とイスラエルに対しての怒りを、受け取りました。過去も、現在も、こんなに酷い目にあっていると、必死に訴えられました。普段はとても親切で温厚な彼らが、米英とイスラエルに対してだけは、憎悪の塊と化すのです。僕は、なるべく中立的な目線で彼らの思いを受け取ろうと努めましたが、しかしやはりどうしても、米英イスラエルに対しての怒りの種は、確実に植えられました。

帰国後に、改めて中東関係の本をたくさん読みましたし、他にもアメリカ(主に)がこの100年間、世界中でどんなことをして来たのか、いろいろと勉強しました。そして、日本のメディア報道は、確実にアメリカ寄りのイメージを国民に植え付けている、という事実に気付きました。


皆さんは、サダム・フセインの名を聞けば、どうイメージしますか?
逆に、アウン・サン・スー・チーの名を聞けば、どうですか?


多くの方は、端的に言えば、「サダム→悪」「スー・チー→善」をイメージすることでしょう。僕もそれは、否定はしません。僕が言いたいのは「間違えていますよ」ではないです。「それはあくまで、アメリカ側の視点ですよ」です。

ヨルダン人の友人は、「サダムは、英雄だ」とはっきり言っていました。理由を聞くと、「パレスチナの解放に尽力した」等、いろいろ教えてくれました。1990年にイラクがクウェートに攻め入った湾岸戦争、僕は当時小学生で、報道を見てシンプルに「イラクって悪い国なんだな」と思いましたが、あの戦争だって、単なる侵略戦争ではないのです。ちゃんと勉強すれば、わかります。戦争を仕掛けたのはイラクですが、仕掛けるように仕向けたのは、米英です。 日本だって大戦前にABCD包囲網とかありましたよね。あれと似たような構図です。

逆に、「スー・チー女史が必ずしも善とは言い切れない」は、これまた説明が長くなりますので、割愛します。興味のある方は、ご自身で調べて下さい。


というわけで、日本で当たり前のように設定されている「イスラム国=テロリスト集団」も、僕はあくまでアメリカ側の視点だ、と捉えているのです。といいますか、冷戦後のアメリカは、自国に都合の悪い存在をとにかく「テロリスト」と名付けます。そして、「テロリスト=悪」「悪を倒すことは正義」となり、お得意の正義(自国)vs悪(都合の悪い存在)の構図をでっち上げるのです。「テロリスト」という言葉ほど、使い勝手のいい洗脳ワードはありません。


もう、このフェイク、いい加減にしませんか? いつまで騙され続けますか?



僕は決して、イスラム国を肯定はしていません。「テロリスト」の括りにしていないだけです。彼らはあくまで、戦争をしていると考えるのです。正義 vs 悪では、ありません。

欧米諸国から利用と搾取をされ続けた、長い歴史に終止符を打とうとしているのです。それは、彼らなりの正義です。やっていることは、テロリストと呼ばれても仕方のないことが多く、僕も許せないのですが。「爆弾を抱えて突撃する」に「悪」をイメージしてしまう人には、「空爆で街ごと破壊する」にも、怒りを覚えてほしい。邪魔な相手を勝手に「テロリスト」呼ばわりし、それを正義面しながら駆逐しようとする連中にも、怒りを覚えてほしい。


日本は、歴史的にも、今現在も、中東問題にはほとんど関わっていません。ムスリムの方々の憎悪の対象は主に米英とイスラエルであって、そこに日本は含まれていません。

しかし今回、日本の安倍首相は、よりにもよってイスラエルでアメリカの共和党議員たちと握手し、「テロと戦う」と宣言し、支援を約束した。首相の後ろには、日本国旗とイスラエル国旗が並んでいた。

最悪です!!本当に最悪!!! 完全に一線を越えましたよ。日本は、関係のなかった戦争に自ら首を突っ込み、「片方の味方をする」という宣言をしたわけです。戦争への参加を表明したのと、同じことです。「あくまで人道支援だ」とかのたまわっても、支援金を何に使うのかは自由ですし、なんなら空爆のミサイルに使われます。あのイスラエルでの会見で、多くの中東の人々は傷つき、日本に失望しています。イスラム国が日本を、十字軍の一員、すなわち “敵国” だとはっきり明言したことは、僕からすれば「そりゃそうなるわ!!」なのです。



日本には、憲法第9条があります。日本は、戦争をしない国、なのです。平和を追い求める国、なのです。僕はこれには、大きな誇りを持っています。僕は日本という国を、愛しています。右か左かと問われれば、確実に右です。それはひとえに、日本人が「平和を愛する」国民だからです。

メディア報道を鵜呑みにして、「相手はテロリスト(悪)」だと一方通行で決めつけているから、「首相は間違えていない」と錯覚するのでしょう。これは正義 vs 悪なのではなく、実は戦争なんだと気付き、首相がそれにわざわざ参加表明をしたと捉えれば、みなさんはどう思いますか? 憲法第9条に、反していると思いませんか?

今後、首相が「テロリストを倒すために」等のもっともらしい大義名分をつけ、集団的自衛権の名の下に、平和主義を放棄する可能性があります。もしそうなれば、僕は日本政府に、確実に失望します。そんな最悪な連中を選挙で選んでしまう、日本人にも、大きく失望します。


とにかく、イスラム国に拘束されている二人には、無事でいてほしい。今回は「自己責任」をはるかに超える、「政治のミス」です。日本政府は責任を持って、二人を救出してほしい。


いつか世界に、真の平和がおとずれますように!!


シリアのアレッポにて(2008年)




2015年1月4日日曜日

2014年 映画総括!!


2015年、あけましておめでとうございます。
本年も、よろしくお願いいたします。


お久しぶりです。前回の更新が8月末ですから、4ヵ月以上も放置してしまいました。忙しくて、それどころではなかった・・・わけではないです。飽きちゃった・・・わけでもないです。実は昨年7月からもう一つ、別のブログを書いているのです。


当ブログでは全く話題に出しませんでしたが、僕は今、新規事業を立ち上げる準備中なのです。それはボンヤリしたものではなく、今年3月に開始することが、既に決定しています。実はかなり前の時期から準備を始めておりまして、多くの資金を投入し、いろいろな方々の協力を受け(ありがとうございます!)、これまで順調に進んできています。長いこと、僕は無職の状態が続いていますが、無意味・自堕落に遊んでいたわけではないのです。ほとんどの友人には伝えていますので、これを読んでいる多くの方は、とっくに知っていることかとは思いますが。前職でご縁がありました、教え子たちやそのご父兄の皆さまには、お伝えしていませんでしたね。

しかし、4ヵ月も更新無しだったというのに、閲覧者数がむしろ増えていたという事実がありまして、とても不思議です・・・。
みなさん、どうもありがとうございます。




さて、今回は毎年恒例の自己満足、2014年の映画総括をしたいと思います。


2013年(182本)と同様に、僕は昨年も観賞本数を地道に数えておりまして、その数合計で316本。さらに、実際に劇場で観た(レンタルDVDでの観賞ではない)映画の本数も数えまして、そちらは75本。この一年、時間だけは有り余っていましたし、僕の休日の過ごし方は相変わらずもっぱら映画鑑賞ですので、気が付けばそんな数になっていました。6月はブラジル・ワールド杯があったので、その一ヵ月間だけは、ほとんど観ていませんが。


昨年の劇場公開作だけでも、対象が100本以上あるわけで、ベスト10の選考にはかなり苦労しました。特に下位は横一線でしたので、おしくも選外になった映画8本を、先に記そうと思います。公開が早かった順です。

★なんちゃって家族
★新しき世界
★愛の渦
★オール・イズ・ロスト 〜最後の手紙〜
★キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
★ブルージャスミン
★ラストべガス
★ゴーン・ガール

う〜ん、どれもいい作品だったんだけどなぁ・・・。特に「新しき世界」には、韓国映画のクオリティの高さを、改めて思い知らされました。こちらはベスト10に入っていないというのに、DVDを購入済みです。


それでは、ベスト10の発表!! タイトルの後の(〜/〜)は、日本での劇場公開日と製作国です。ちなみにこれら10本は全部、僕は劇場で観ています。





10位

ショート・ターム(11.15/アメリカ)

少年少女の保護施設を舞台に、心の傷を抱えた子ども達が、生きる喜びや希望を見出していく姿を描いた作品。登場人物は多いのですが、一人一人を実に丁寧に描き、それぞれにきちんと物語があります。“引き算の妙” といいますか、あえて出来事を終わりまで全て見せずに観客に想像させる手法が、とにかく上手い。主人公と、その恋人の人間性も素晴らしく、観ていて清々しくなりました。






9位

バルフィ! 人生に唄えば(8.22/インド)

昨年の5位「きっと、うまくいく」に続いて、二年連続でのインド映画のランクインです。「きっと〜」もこの映画も、何も考えずに観れるシンプルさがいいですね。ド直球のエンタメと、ツボをきっちりおさえた感動。インド映画って、変なあざとさやカッコつけがなく、とことんピュア&ハッピーで人に優しいので、大好きです。
聴覚に障がいを持つが、とにかく明るくて人気者の青年バルフィと、彼との出会いから人生を大きく変化させる二人の女性の恋物語ですが、バルフィに結局選ばれなかった方の女性の、それを受け入れるに至る心理の描写が、特に素晴らしかったです。







8位

6才のボクが、大人になるまで。(11.14/アメリカ)

この映画、同じキャストたちが12年もの永きに渡り撮影された、という手法にまず注目が集まりましたが、決してアイデア一発勝負の作品というわけではなく、内容も素晴らしいものでした。
6歳から18歳まで、主人公が子どもから大人へと成長する姿を丁寧に描きますが、なんとこの映画、出来事が全くないのです。何かの大会に出場するとか、誰かライバルと切磋琢磨するとか、そういうのが一切ない。両親の離婚や失恋などはありますが、会話の内容から観客が推測できるだけで、実際に恋人が「別れましょ」なんて言うシーンもない。
「ショート・ターム」同様、こちらも引き算の妙。出来事がない上に、主人公は感情を表に出さないキャラクターなのですが、それでも成長が観客にはきちんと伝わる。
そんな秀逸な会話劇です。







7位

ディス/コネクト(5.24/アメリカ)

「アモーレス・ペロス」や「トラフィック」等、複数のストーリーが同時進行する形式は僕は元々好きなのですが、「バベル」あたりからは食傷気味に。しかしこの映画は、“それ系” の映画では、久々の大ハマリです。
SNS上で起こった事件をきっかけに、いろいろな人間たちの複雑な事情が錯綜していく様の、脚本構成がとにかく上手い。インターネットが普及し、人類が手に入れた便利さと、それによって希薄になってしまった “心の繋がり”。そんなアイロニカルなメッセージを巧みに訴える、強烈な作品です。






6位

光にふれる(2.8/台湾)

僕が4月に台湾の旅をする、きっかけにもなった作品。
僕は、「24時間テレビ」が嫌いです。あれは障がいを持つ方々に対して、「がんばれ!」の目線なので。僕は「がんばれ」ではなく、「一緒に遊ぼうぜ!」のスタンスで、いつでも彼らと接したいのです。
この映画はまさに、そんな僕のスタンスと、がっちりマッチング。目が不自由だが、天才的なピアノの才能がある青年と、彼をバンドに誘う友人たちや、夢を追うダンサーとの交流を描いた感動の物語。主人公が障がい持っていることを忘れてしまう位に、フェアーで優しい人間愛にあふれています。






5位

GODZILLA ゴジラ(7.25/アメリカ)

この映画は、公開初日に観に行き、それから+2回、計3回も観ちゃいましたよ!! まぁ、真夏で暑かったので避暑を兼ねていましたが。ホントはもっと上でもいいのですが、なんとなく5位が似合うと思いまして・・・。
実は僕は元々、ゴジラマニア。第1作〜22作までは、全て観賞済みです。特に中学時代にドハマリし、今は亡き雑誌「ゴジラマガジン」の、ハガキ職人をしていた位なのです。高校時代からは、サッパリと冷めていましたが・・。
というわけで、僕的には久しぶりのゴジラ熱の再燃でして。さすがはハリウッド。史上最大級のド迫力で、それだけでも観賞の価値有り!
昔のゴジラを知る者(僕)としては、製作者がそれらをよく研究し、日本の伝統のスタイルを踏襲し、きちんと “怪獣映画” になっていたことが、とても嬉しかったです。続編(決定済み)にも、大いに期待しています!!






4位

ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2.28/アメリカ)※DVD購入済み

詐欺の手紙を信じ込み、100万ドルを受け取るための旅に出る老いた父と、それに呆れ返りながらも旅を共にする息子との、ロードムービー。父の「これからは金持ちだぜ〜」宣言を鵜呑みにして、ゴマすりタカりまくる町の輩や、とことん毒を吐き続けるものの、夫や家族への愛情溢れる妻(母)などの、周りの人物たちの描写がとにかく面白い。父から息子への愛と、息子から父への愛。決して感動を押し付けず、淡々と、じんわりと、「家族っていいなぁ〜」と感じさせてくれる、素晴らしい作品です。








3位

おやすみなさいを言いたくて(12.13/ノルウェー・アイルランド・スウェーデン)

世界中の紛争地に赴く、女性報道カメラマンのお話。紛争の実情を伝え、世界中の悲劇を少しでも減らしたいという使命感と、危険に飛び込む彼女を案じ「もうやめてほしい」と訴える、夫と娘たちとの家族愛。その二つの葛藤が軸となる物語ですが、なんと彼女の中毒性、“戦争でアドレナリンが出てしまう” 一面まで、きっちり描いております。
監督が実際に報道カメラマンの方なので、自身を投影し、冷静に分析した、リアル極まりない報道カメラマンの姿が、そこにあります。
テロリストを単に “悪” としては描かず、それを生む背景を糾弾しようとしている姿勢にも、胸を打たれる。そして強烈かつ、絶望的なラスト!
世の中の実情を垣間見るためにも、ぜひ皆さんに観ていただきたい作品です!!








2位

アバウト・タイム ~愛おしい時間について~(9.27/イギリス)

ロングラン・ヒット中で、3ヵ月以上たった今でも、劇場で公開しています。
過去に遡る能力を持つ主人公が、タイムトラベルを繰り返しながら幸せを手に入れる・・・と書くとなんだか既視感がありますが、この映画にとってのワープ能力は、刺身のツマみたいなものでして。別にワープ能力を駆使して、何かの力を得るとか、事件を巻き起こすとか、そういうのではなく。
あくまで、人との出会いや別れ、結婚や出産の経験、いわゆる誰にでも起こり得る出来事を通して、主人公は普通の人間としての、成長を続けるのです。
大感動! というわけではないのですが、非常にポジティブ&ハッピーなので、自分まで一緒に幸せになれたかのような、そんな気持ちのいい気分にさせてくれます。
特に、プロポーズのシーンがよかった!「あら、ひざまずいてる」のセリフ、あれ、最高です!!







1位

アデル、ブルーは熱い色(4.5/フランス)※DVD購入済み

上映時間が非常に長い(3時間)ですし、内容的にも賛否両論、別れている映画ですが、僕の中ではこの作品が、2014年のno.1となりました。
物語は実に単純明快で、とあるレズビアンカップルの、出会いから別れまでを、シンプルに描いているだけです。
しかし、人物描写がとことん丁寧で、感情移入しまくり&心を揺さぶられまくりでした。いちおう僕にも昔、とある女性にとてつもなく激しい恋をし、いろいろあって別れた経験がありますからね。
「アデル(主人公)、わかる! わかるぞぉ〜、その気持ち!!」と、映画を観ながら何度も叫びたくなりましたよ。ここまで感情移入をしてしまった映画って、他にあったかなぁ・・・。
人を愛し、それを失った経験のある方には、きっと心に深く突き刺さる作品だと思います。







相変わらず邦画は、全然入りませんでした! 「愛の渦」以外、特に印象に残った映画もありません(邦画ファンの方、すみません)!!
僕にしては珍しく、10本中5本がアメリカ映画でしたね。選外の8本も、ほとんどがアメリカ製ですし。
しかし2014年は、大作シリーズ(僕の好きな)の続編が目白押しだったにもかかわらず、「X-MEN」も「スパイダーマン」も「猿の惑星」も、すべてが期待はずれでした。決してつまらなかったわけではなく、“物足りなかった” だけですが。前作の出来を超えたのは、「キャプテン・アメリカ」だけじゃないですかねぇ・・・。


僕は今年は無職を卒業しますし、実は明日から忙しい日々が始まるため、今後はあまり映画を観られないと思われます。それがわかっていたからこそ、2014年は大好きな映画を観まくる一年にしたわけです。

現実的に、100本くらい、観れればいいかなぁ。しかしそんな数では、僕にはとてもガマンができなさそうです・・・。とりあえず、「STAR WARS」の続編だけは、絶対に観ます! 12月が、待ち遠しい!!




2014年8月23日土曜日

善意の暴走。


ここ数日、テレビのワイドショーやインターネットで、「芸能人の〜〜が、スポーツ選手の〜〜が、氷水を頭からかぶった」というニュースをよく見ます。


これは、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) という病の、研究支援への寄付を募ることを目的とし、アメリカから徐々に広まった、“アイス・バケツ・チャレンジ” という名の、慈善活動です。

ALSという難病をもっと多くの人に知ってもらうために、少しでも多くの寄付金を集めるために、世界中のたくさんの著名人たちが、この活動に参加しています。その志は、本当に素晴らしいことだと思います。


しかし僕は、反対です。この活動には、大きな違和感を覚えます。なぜ、氷水を浴びる必要があるのでしょうか? 世界には、飲み水がなくて、もがき苦しみながら困窮している人が、たくさんいます。そういった人々を救おうと、寄付を募っている団体もあります。寄付を集めるという、慈善の精神と、水を頭から浴びるという行動には、大きな矛盾があると思いませんか? もっと他に、効果的な方法はなかったのでしょうか? たとえば有名人が各々、変わった特技を披露するとか。



僕は3年前に、震災ボランティアに参加させてもらった際、期間が長かったので本部の所属になりましたが、一部の方々の行動には、本当に辟易していました。

自分が持ってきた支援物資を、許可なく被災者に配り始める者(ちゃんと順番があり、管理もしています)。

たくさんいた被災児童の、“一人にだけ” ニンテンドーDSを買い与えた者(当然、ケンカになりますし、せっかくボランティアとたくさん接していた子供たちが、以降はDSにのめりこみました)。

泥だらけの靴で、ズカズカと土足で勝手に避難所に入る者。

・・・挙げたら、キリがありません。


信頼していた仲間にも、被災者に軽トラックを寄付するプロジェクトを立ち上げた者がおり、僕も賛同して協力していましたが、いざ軽トラを寄付するという時に、そこにプロジェクトで作ったステッカーをペタペタ貼ると言う。「なんでわざわざ、そんなことするの?」と聞くと、「私たちの思いを残したいから」との解答。僕はそれが、非常に頭にきて、大げんかし、彼女とは完全に縁を切りました。



僕は、“善意の暴走” が、大嫌いなのです。「善いことをしよう」という志は、もちろん素晴らしいのですが、「善いことをしているのだから、文句は受け付けない」では、ダメなのです。

善意というものは、たくさんの配慮が必要です。柔軟な思考も必要です。善かれと思ってやってはみたが、批判意見が多かった。逆に人を、傷つけてしまった。
→・・・では、やり方を変えてみよう。
このバランス感覚が、大事なのです。


このALSの慈善活動でも、例えばタレントの武井壮は、水浴びの指名を拒否し、「この分はALSに限らない難病支援や、水不足や衛生に関する支援に回します」と表明しました。俳優の金城武は、あえて飲み水ではない排水を浴び、誰も指名せず、「チャレンジは必要ない。身の回りにいる助けを必要としている弱い立場の人々に、あなたの心からの思いやりが届きますように」と書きました。


こういう価値観、バランス感覚のある人と、僕は心を通わせたい。


インターネット上では、賛成派から否定派への意見には、「この活動を批判する奴は、心が貧しい奴だ」といった、人格否定のようなものが多い。

なんだか、タメ息が出ます・・・。



2014年6月27日金曜日

水無月の失望。


ブラジルワールドカップ、観まくっています。ここまでの48試合、見逃したのは2試合くらいですかね。今回のワールドカップは、点が入りまくりでエキサイティングな試合が多く、僕がこれまでライブで観た大会の中では、過去最高に楽しいと思われます。

大会前にも、各国の強化試合をチェックしていた(ネットで観られました)ので、6月に入ってからのこの1ヶ月、僕は完全にサッカーに支配されている状況です。全然、お出かけしていません。映画も、ほとんど観ていません。


日本代表については、別にツウぶっているわけではありませんが、これくらいの結果だろうな、と予想はしていました。本田選手の病気や首の傷跡のことも、同じくサッカー好きの友人とは報道されるだいぶ前から話題にあがっていましたし、率直に言ってこの4年間、日本と海外のサッカーのレベルの差は、むしろ大きく開いたという印象でした。日本も成長しているが、海外はもっと劇的に強くなっている、と。少し前までは海外の主要リーグの得点王ならば、だいたい20〜25得点くらいでなれましたが、最近はアルゼンチンのメッシなんて、50点ですよ、50点。次元が違います。

個人的には、今大会はイングランドに注目しており、友人にも「ベスト4には入るぞ!」と予言していました(直前強化試合の内容がよかったので・・)が、あっさりはずれちゃいましたね。しかし、アルジェリアやナイジェリアの躍進は、予想通りでした。コスタリカには、全く注目していませんでしたが。とにかく、波乱だらけのこの大会、僕はハマりまくりで、最高にエンジョイな毎日です。



しかし今朝、とても残念なことがありました。韓国がベルギーに破れ、これでグループリーグ敗退となったのですが、その後にネットを見てみると、その記事のコメント欄には「ざまぁ」「日頃の行いの結果だ」「アジアの恥」といった罵詈雑言の嵐で、韓国代表に対するねぎらいやリスペクトの欠片もありませんでした。あまりにガッカリしたので、僕はあえて「韓国を応援していたので、残念に思う」とコメントしてみたところ、それに対するリ・コメントでもクソミソに言われ。なんなんでしょう、(一部の)日本人の、このイヤ〜な感じ。

あげくの果てには、「在日だろ」や「キムチ臭い」等、僕を勝手に韓国人と認定し、どんどん増長してこの “架空の僕” をバカにしまくる。韓国を応援するのって、韓国人しかいないんですかね? まぁ、こんなのは相手にしていませんけどね。もちろん途中で読むのをやめましたよ。


僕の周りの人間には、そんなしょうもない連中はいないので、“あくまでネット内の、狂った社会の話” というのはわかっていますが。しかし一部の人間とはいえ、なんでこうなっちゃったんですかねぇ? 日本人が守るべき、大切なものを失ってしまった者が多すぎると思います。

「韓国人のここが許せない!」と言いながら、“そっちがそう来るなら、こっちも” で、同じことをしていては、何の解決になるんだ、という・・・。僕が安倍首相の靖国参拝に断固として反対していたのは、韓国政府からの嫌がらせ行為に反抗するのであれば、逆に日本政府はもっと高貴に、「こちらは相手の嫌がることはしない」を貫くことで、レベルの高い外交が実現できる、と考えるからです。



日本と韓国は、隣国ですし、歴史が歴史なので、ケンカをするのはしかたがない。これからも、お互いを本当に理解し合うことは、難しいのかもしれない。しかし、相手への最低限のリスペクトを忘れ、批判はおろか誹謗中傷をすることで自己満足の歪んだ正義感に浸り、生産的な未来を想像せず、しようともしない愚かな人間にだけは、なりたくないと僕は思います。



2014年6月12日木曜日

ワン!ダフルライフ。


先月末に、我が家に家族が増えました。



動物界 脊椎動物亜門 哺乳綱 食肉目 イヌ科 の一種。要するに、犬です。ほんのりキツネっぽくも見えますが、犬です。チワワと柴犬のミックスです。チワックス的に略して言えば、チバケンでしょうか(笑)? 



実は僕は一年ほど前から、愛犬ルディ君にもお友達をつくってあげたいな、と思うようになり、なんとなく探していたのです。ルディ君はもう4歳ですが、ず〜っっと僕だけにベッタリ寄り添う毎日で、僕以外の人間や他の動物と接する機会がほとんどなく、なんだか可哀想だな、と思いまして。それからこの一年間で5匹くらいのワンちゃんを見ましたが、やっと「この子だ!」と思える子と出会えたので、この度新しい家族として迎えました。


ミックスなので、今後どう成長するのかはさっぱり読めません。僕は別に小型犬が好きなわけではないので、ほどほどに大きくなって欲しいなぁとは思いますが。顔は生まれたての頃はまんまチワワでしたが、成長と共にマズルが伸びてきて、柴犬っぽい顔立ちになったそうです。



性別はオスで、名前は「どん」です。ボストンテリアの「ルディ」とチバケンの「どん」、犬種も名前も統一感がまるでありませんが、わざとそうしています。



ルディ君は、我が家の新しい住犬にまだ慣れきってはいませんが、ちょっとずつ自然にコミュニケーションをとれるようになってきました。どん君が来た当初は、興奮しすぎて暴れまくっていましたが。ルディ君は、人間も犬も、とにかく大好きなのです。


だいぶ慣れてきた















というわけで、僕は相変わらずの一軒家・独り暮らし。しかし2匹のカワイイ犬たちに囲まれながら、毎日楽しくワンダフルに過ごしています。



2014年5月11日日曜日

さぁさぁ、独り旅だ。


ゴールデンウィークは今年も映画ばかりだった、タクロウです。映画「アデル、ブルーは熱い色」、ムチャクチャよかったです(今のところ今年1位)。「アメイジング・スパイダーマン2」「ある過去の行方」は、かなり残念な出来でした。「アクト・オブ・キリング」にいたっては、不愉快すぎてお金を返してほしかったレベルです。

DVDでは、今さらながら「アバター」を観ました(笑)。想像していたよりは面白かったです。あとは実はまだ観ていなかった、はるか昔の名作「アパートの鍵貸します」。素晴らしいラブストーリーで、なぜ今まで観ずにいたのかと自戒の念を込め、その日は熱めのシャワーを浴びました。もちろん他にも大量に観ましたが、特に意味もなく今回は、“あ” から始まる映画だけを紹介しました。




話は変わりまして、昨日は鎌倉で大学時代の親友の、結婚式がありました。

おめでとうだぜ!!














彼と僕とは非常に気楽な関係で、面白い or つまんない、なんぞ全く気にもせず、お互いに話したいことを好き勝手に話せます。好きな人ができればすぐに報告し、ウキウキの共有。そのコとデートをすれば、ノロけ倒して呆れられ。そして結局フラレても、一緒に笑い飛ばせるという、そんな関係です。とてもいい奴ですが、皮肉や毒のバランスも僕と非常に似ており、たまったものを吐き出せる相手でもあります。よって一時期はお互い毎日のように、電話で話していました(コイビトか!)。

僕の恋愛遍歴をすべて知っているのは、彼くらいじゃないかなぁ。大学時代には、二人で1コマずつ交代し、ギャグ漫画を描くという、おかしな遊びにハマったこともありました。彼も絵が得意なのです。少なくとも挿絵のようなサラッとしたイラストに関しては、僕よりも確実にうまいです。


今までは互いに結婚をしておらず、「あいつもしてないし、俺もまだいいかぁ」という関係でもありました。彼以外に僕が今も仲良くしている友人たちは、全員とっくに結婚していますので、変な話、“最後の砦” だったわけです。それがあんなにもあっさりと、ゴールインするとはなぁ・・。運命とは、不思議なものです。


というわけで、他の友人たちの結婚式以上に、昨日は僕はしみじみと「み〜んな、行っちゃったなぁ」という気分になりました。モテる奴もモテなかった奴も、なんだかんだでみんな、とてもステキな恋人を見つけ、ちゃんと責任を持って結婚の決断をしますね。



よって今日から僕の、“独身・独り旅” が始まったわけです。誘える友人がいないので、もはや合コンにすら行けませ〜ん(笑)。こんな風に描くとセンチな気分になっていると思われるかもしれませんが、実はそうでもなく、これはこれで改めて、「よし、やったろうじゃないか」という心境です。


人からは意外だと言われますが、両親の幸せそうな姿を見て育ちましたし、僕にも結婚願望はそれなりにあるんですよ。まぁ、40の頃までにできればいいかな。その前にまずは、恋人どころか、好きになれる人から探さなきゃなぁ・・・。













2014年4月19日土曜日

いい国、台湾!!


先週〜今週にかけて、台湾に行ってきました。久しぶりの、“初めて訪問” の国です。


いやぁ〜台湾、聞いていた以上に、素晴らしい国でした。マイナスポイントを探しても、見つからないです。しいて言えば、景観としての「こりゃすげぇや!」な場所がなかったことくらいですかね。観光地としてよかった、というよりも、居心地が良すぎて、もはやそのまま住んでしまいたかったという、そんな国でした。


その理由としては、まず街がとにかくキレイなこと(衛生的に)。大げさではなく、ゴミが “全く” 落ちていません。夜市はとても活気があり、また、いたるところに屋台が出ていますが、それでもゴミは見当たらず。日本でお祭りがあれば、路上には割り箸やら紙皿やらのゴミが散乱しているもんですが・・。日本人としてのバイアスを抜きにしても、僕は日本の街のキレイさを世界有数だと自負しておりましたが、正直に言ってこれは、台湾の方が確実に上です!!















また、タバコを吸う人や、酒に飲んだくれる人も全く見当たりませんでした。みなさん、家の中で嗜んでいるのかもしれませんがね。さらに、中国では当たり前の “ツバ吐き” が、全く見られなかったこともよかったです(台湾では法律で禁止されているそうです)。僕は “タバコを吸う奴(マナーが良いなら無問題)” “道にツバを吐く奴” “ゴミをポイ捨てする奴” が大嫌いで、僕自身は人生で一度もしたことがありませんし、もし友人がそれをしようもんなら友達を辞めるレベルでの不愉快なので、これは台湾、本当に素晴らしかったです!!


そして、台湾は親日の国だとは聞いていましたが、全くその通りだったというか、むしろ台湾人は、根本的に心がキレイな人たちなのだと感じました。誰かに道など聞けばものすごく丁寧に対応してくれますし、お店でもニコニコと一生懸命に説明してくれ、結局何も買わなくても気持ちのよい「シェイシェイ!」で見送ってくれます。また、マナーの意識がものすごく高く、若者がお年寄りや妊婦さんを助けている場面も何度も見ました。本当に台湾人の優しさには、感動すら覚えましたよ! 東日本大震災で、国民全体で世界一の義援金を集めてくれたというのも、納得です(ありがとうございました)!!



あとは挙げれば、物価が安い(日本の半分くらい?)、

食がおいしい(臭豆腐もクサ旨かった)、

そこらじゅうに犬がいる (僕は生粋の犬好きなので・・)、


など、台湾を好きになった理由は山ほどあります。英語が通じる人が多いし、日本語もイケちゃう人もちらほらいるし、そもそも漢字なので僕にも意味が分かるしで。そんな特に不便のない生活ができる上に、人々のモラルレベルは日本以上に高い。そりゃあ、住みたくなっちゃいますよ!


いやホント、いい国でした(クドいですが)!! 中国とはすべてにおいて、比べ物になりません(中国は、これでよく属国扱いできるもんです)! タバコ&スマホいじり率の高さという不快ポイントのある韓国よりも、僕は好きです(もちろんそれ以外では韓国も大好きです)! 台湾へは今回もLCCで格安(片道8000円)で飛べたので、今後もまた安いチケットを見つけられれば、さらっと訪問しちゃうだろうなぁ〜。