2013年6月7日金曜日

“親vs子” を理解する映画。


今日も気持ちの良い青空で、すっかり暑いです。関東地方では先月末に梅雨入りが宣言されたというのに、梅雨の空はどこかへ行ってしまったようですね・・・。正式発表にはなっていませんが、どうやら先月末のしとしと雨は、梅雨ではなかったようです (梅雨のはしり、というそうです)。



もちろん陽学舎は、天気など全く無関係。毎日元気よく、授業をしています! 生徒たちは4月に学年が変わり、5月には修学旅行があったりでドタバタしていましたが、気がつけばもう、テストのシーズンです (南中に至っては、もう終わってしまいました)!! 今年の近隣中学校の第一回定期テストは、中学校ごとの日程がまるで違く、5月末~6月は毎週末にどこかの中学校でテストがある、といった状況です。


以前からしつこいほどに言っておりますが、受験生は “学校の定期テスト=私立入試” です。本当に、驚くほどに、内申点(通知表の成績)だけで合格がほぼ100%決まります。私立高校が第一志望の生徒はもちろんのことながら、たとえ滑り止めであっても私立校への受験を検討している者は、とにかく必死になって、ひたすらに勉強しましょう!! これが高校受験への最初の加速ポイントです! ここで一気にスピードに乗って、そのまま受験を走り切るのです!!!




さて話は変わりまして、僕は家では相変わらず映画ばかりを観ている毎日ですが、先日、なかなか魅力的な作品に出会いました。

“ローラーガールズ・ダイアリー” という、2010年公開のアメリカ映画です。



















僕は当ブログでは、普段は “僕が観ておもしろかった映画” を取り上げていますが、この映画はどちらかというと、陽学舎に通う生徒たちや、そのご家族の皆さまに観ていただきたいと、強く思った作品です。


ストーリーは王道といえば王道でして、17歳の少女がローラーゲーム(ローラースケートを履いて競争し、得点を競う、チームスポーツ)に出会い、その魅力にハマり、トレーニングを重ねながら、人間的にも大きく成長していくという物語です。ローラーゲームというスポーツは僕は初めて知りましたが、単純にそのスポーツ自体、観ていて非常にエキサイティングで楽しいものでした。スポーツとはいうもののどこかプロレス的な要素があり、乱闘があるわ、ノリノリの実況がいるわで。個々の選手にはリングネームのような名前がついていて、それらをひっくるめてエンタメとして、とても面白かったです(主人公のスケートネームは、ベイブ・ルースレスです(笑))。


この映画で特に素晴らしいのは、主人公の心の成長と、両親との関係を、非常に丁寧に描いているところです。主人公はまさに思春期の真っただ中におり、心は自分の未来に対する期待と不安と責任とが入り混じって、いっぱいいっぱい。“もうすぐ大人になってしまう” という現実と、必死に戦っています。対して彼女の両親は、自分たちの過去の失敗を娘にはさせたくないという思いから、娘の行動にとやかく口を挟み、両親にとっての “理想の娘” であることを強要します。


・・・リアルです。僕が陽学舎の教室長になってから、たくさんの生徒たちやそのご両親と接してきましたが、この映画のこのようなご家庭は、たくさん見てきた気がします。


思春期の子ども達の 「私は親の持ち物じゃない!」 も、その親の 「こうしないと幸せになれないわよ!」 は、僕はどちらも正解だと考えますし、どちらも否定するようなものではありません。僕が子供の頃、僕の両親はあまり自分の考えを押し付けるようなことはありませんでしたが、それでもたまに 「あぁしろ、こうしろ」 と言われたときには、僕も強く反発していました。しかし今になって考えると、親が僕に言っていたことはほとんどが正解でしたし、的確なアドバイスだったと思います。


しかし 「だから子ども達は、親に言われた通りに生きよう」 とは、僕は全く考えません。むしろどんどん、反発してもいいと思います。親の考えに反することをたくさんやって、たくさん失敗して、とことん失敗を重ねてから、親の正しさに気付く。成長とは、そういうものだと思います。


ここで言う親への反発とは、親「勉強しなさい!」、子「や~らない !!」というケースとは違いますよ。それは子ども側の甘えであり、ただの怠慢です。この映画では親の「女の子らしくしなさい」「ローラーゲームなんて不良の遊びよ」に対して、子の反発は 「私が楽しいと思うことをして、何が悪いの!?」 というものです (勉強はちゃんとしてます)。しかし、主人公の少女は反発しながらも、親の気持ちもよく考えており、理解がないわけではありません。親は親で、楽しそうにスケートする娘の姿を見て、娘の楽しみを奪うべきなのか・・・という葛藤があります。


結局この両親が選んだ判断、そしてそのご褒美のように、母親のもとに降りかかった感動。親と子の、普遍的な問題をリアルに切り取った、素晴らしい映画です。

この映画を観れば、子どもはきっと 「少しは親の言うことを聞こうかな」 という気持ちになりますし、ご両親は 「子どもが言うことを聞かなくても、楽しそうに一生懸命に生きているのなら、それを応援しようか」 という気持ちになります。

ぜひ、皆さまにも観ていただきたいです。