2013年1月25日金曜日

イスラムの世界。


先週は、千葉県のほとんどの私立高校で入学試験がありました。合格した生徒は、今は 「とりあえず安心・・・」 という気持ちでしょう。しかし本当の勝負は来月、その日まではあと20日間もありません。このまま気持ちを切らさずに、よりいっそう全力で駆け抜けましょう。




さて、いきなり話は変わりますが、最近の世界的なニュースで気になることと言えばやはり、アルジェリアでの外国人人質事件です。といっても私は現在、家でテレビを全く観れず(アンテナの問題で)、この事件の情報のほとんどはインターネットで仕入れているだけでして、特別詳しいというわけではありません。よってこの事件について、私は専門家や学者のように見解を述べることはできませんので、私なりの経験も踏まえた今の気持ちを、ここに書きます。



私は、2008年~9年に世界一周をした際に、中東にも訪れています。期間としては合わせて2カ月ほど、トルコからシリア・レバノン・ヨルダン・エジプトを訪問しています。エジプトからはアフリカ大陸の上部、地中海沿いのラインを東から西へと旅する予定でしたが、リビアのビザをどうしても発行してもらえず、リビア・チュニジア・アルジェリア・モロッコには入れませんでした。



みなさんはイスラム諸国に対してどういうイメージをお持ちかわかりませんが、イスラムと聞くと”テロリスト”などという、マイナスの連想をする方も少なくはないでしょう。実際今回も、イスラム教の国で、イスラム教徒のテロリスト達の手によって、たくさんの異国人が殺されてしまったわけですし。しかし私がイスラム諸国で出会った人々は、本当にみんな信じられないほど親切で、異国から来た私を、心から歓迎してくれました。


インド等では「日本人=金持ち」からくる親切だったりもしますが、これらの国の人々はひたすらに純粋な親切。誰かに道を聞けば、ほぼ100%の人が目的地まで連れて行ってくれますし(たとえ一時間以上かかろうとも)、レストランに入れば、「遠くの国から来てくれてありがとう」と言って、料金をタダにしてくれたりもしました。そして何よりもうれしかったのは、道を歩いているだけで、そこら中の人々から「ウェルカム!」と声をかけられることです。「ウェルカム」と叫ぶ子供達に囲まれることは何度もありましたが、何かを「恵んで!」と言われることは全くありませんでした(エジプトを除いて)。


ただし、中東の国々で私がこんなにも歓迎されたのは、私が “日本人だから” という要素が大きいように感じました。シリアで仲良くなった現地の友人達と話していた時に実際に感じたことですが、彼らの日本に対するイメージは、ひとえに ”原爆を落とされた国”。よって彼らは、日本人は今でもアメリカを憎んでいると思い込んでおり、そこに共感があり、仲間だと信じているようでした。私はアメリカへの憎悪など持っておりませんし(不満はあれど)、それは大多数の日本人も同じかと思いますが、しかしそれを言ってしまうと、友人が私(や日本人)に敵意を覚えてしまうのではないかと思い、何も言えませんでした。



要は、イスラム諸国の人々のほとんどすべては、理由に誤解は感じるものの、日本人には非常に友好的で、親切な方ばかりだということです。イスラム諸国→テロリスト→怖い・・・ではないのです。私のイメージは、イスラム諸国→親切→素晴らしい国・・・なのです。訪問経験のある者は、全員と言っていいくらい皆、そうなっています。



そんなイスラム諸国のアルジェリアという国で起きた人質事件、何が本当の目的だったのかは諸説ありますが、とにかく私は非常に残念に思っています。一切の慈悲すらなく、たくさんの人々が殺されたことがショックですし、一部の過激派テロリストが起こした暴挙のせいで、中東諸国のイメージがまた、地に落ちたと感じます。本当に、あの国の人々は、素晴らしい方ばかりなのに・・・。



私にはアメリカ人の友人もおりますが、サダム・フセインといえば極悪独裁者、ウサマ・ビン・ラディンといえば悪のテロリスト・・・そしてそれを殺したアメリカはヒーロー。そんな考えの者ばかりです。実はフセインは多くのイラク人にとっては英雄だった、ということは知らないですし、知ろうともしません。


テロ=悪、テロリスト=抹殺するべし、こんな単純な問題ではないと、私は思うのです。イスラム諸国のテロリスト達の激しい怒りがどこから来ているのか、それを考えもせずに、ただその行いのみを責めてしまっては、何の解決にもなりません。そして今後も、永遠にテロとの戦いは終わらないでしょう。日本人、特にこれからの未来を担う若者たちには、「テロリストは許せない!」で思考を止めず、いったい何が問題なのか、なぜそのようなことが起こるのか、そこまでを考え、知ろうとする人間になってほしいと願います。




先日、シリアのアレッポという大きな街にあるアレッポ大学で爆撃があり、83人が犠牲となりました(シリアは今、内戦状態です)。実は先ほど挙げたシリアの友人とは、この大学の学生でして、何度も訪問し、たくさんの学生と交流した、私にとっては思い出の場所であります。友人達はもう卒業しているはずですので、無事だと思いますが。

アルジェリアやシリアで犠牲になった方々を追悼すると共に、イスラム諸国の安全と平和の実現を、心より祈ります。



2013年1月15日火曜日

雪だ!!


僕は日本の四季の中では、冬が最も好きです。なんだか一番、“居心地のいい季節” という感覚があります。冬に生まれたのが、原因の一つなのかもしれません。



夏の暑い日にクーラーの効く涼しい部屋に入っても、あまり気持ちいいとは思いませんが(そもそもクーラーは嫌いなので、家にありません)、冬の寒い日に暖かい布団に入る、あの瞬間といったら・・・。これ以上の気持ちよさはないんじゃないかって位に、幸せな気分になれます。



冬に関係する物や出来事は何でも好きなので、雪も大好きです。そして昨日、おらが町にも、この冬最初の、待ちに待った雪が、やっと降りました!!




















朝から雨だったので、お出かけの予定をキャンセルし、僕は一日中を家で過ごしましたが、その雨がいやぁ、あんな大雪に変わるとは! 白雪の舞う庭先を眺めながら、のんびりと読書をしていましたが、30分に一度くらいは外に出て、どの位積もったのかの確認をし続けちゃいました!!

昼の勢いならば、これまでに千葉では見たことのないレベルにまで積もりそうだったのですが、朝起きた際にはややガッカリ・・・。まぁ、積もり過ぎたら積もり過ぎたでいろいろ大変でしょうから、この程度で済んで良かった、とも思います。




よって今日は陽学舎の前にも、たくさんの雪が積もっておりましたので、僕は出勤早々、前の通りの雪かきをしました。僕は雪が好きならば雪かきも好きなので、久しぶりのこの作業は、非常に楽しかったです。

その最中、たまたま通りがかった生徒のご父兄の方と、ご挨拶をする機会が何度かありました。また、道を行く面識のない方々とも、「お気をつけて~」「ご苦労様です~」等の会話が自然に発生し、なんだかほっこりとした、気持ちのいい時間を過ごせました。


真っ白な佐倉





















2013年1月7日月曜日

もう7日ですが・・・


皆さま、新年あけまして、おめでとうございます。今年も私、ならびに陽学舎個別スクールを、よろしくお願いいたします。



陽学舎では、12月23日~昨日まで、冬期講習を開催しておりました。クリスマスやお正月など、イベント事が多いこの時期は、一般的には勉強がおろそかになってしまう生徒が多いのですが、今年の生徒たちは例年以上にがんばっている、という印象を受けました。相変わらず自習室があまり活用されておらず、その点は残念でしたが、受験生は自宅学習をしっかりしているという者が多く、全体的に意識のレベルは高い、と感じました。


本日からは、通常授業が再開となります。冬期講習の振替え授業は、すべて通常授業コマ内のどこかでの開催となりますので、生徒と日時を相談の上、今月中を目処に振替えをさせていただく予定です。




さて話は変わり、ここからは趣味の話をいたします。受験直前のこの時期に、勉強の話を書かないとは・・・とお叱りを受けるかもしれませんが、受験直前の今だからこそ、生徒に過度なプレッシャーを与えないよう、実は私は受験生に対し、最近はあえて “勉強しなくちゃいけないぞ” の空気を出しておりません。もちろん、いまだに寝惚けているような受験生に対しては厳しく指導しますが、ちゃんと走り始めることができている生徒に対しては、やる気の面でのプレッシャーはかけません。

ご家族の皆さまにもぜひこのスタンスを共有していただければ、と思いますが、受験生がこの時期に周りから 「もっと勉強しろ」 と言われるのは、むしろ大きなストレスとなり、マイナスです。明らかに勉強量が足りない生徒を除き、あとは本人の全力疾走のサポートに徹しよう、と私は考えております。よろしくお願いいたします。




さて・・・趣味の話をすると言ってから、しばらく経ってしまいました。まぁ私の趣味といえばやはり映画鑑賞でして、2012年は100本近く(DVD含む)は観たかと思います。


というわけで、せっかくなので、ここで超個人的な2012年の公開映画ベスト10を発表したいと思います。()内は、映画の製作国です。



10位

デビルズ・ダブル -ある影武者の物語- (ベルギー)

ただ似ている、というだけでサダム・フセインの息子の影武者をすることになった主人公が、人生をムチャクチャにされる。そこからの復讐劇は、エンターテイメントとしても、サスペンスとしても、とても楽しめました。実話ベースの物語で、イラクという国の勉強にもなります。


9位

ヘルプ ~心がつなぐストーリー~ (アメリカ)

世間での評価が高すぎる気もしますが・・・まぁ、誰にでも薦められる、ストレートな優良作品。黒人差別と闘う人々の、“どうせ何も変わらないわよ・・・→ 私たちが変えなきゃ!” と心境が変化していく、その過程の描き方が丁寧なうえに上手く、気持ちがいいです。


8位

アニマル・キングダム (オーストラリア)

とにかくラストが秀逸。演出や間、カメラアングルまでも最高で、そこだけ何度も見直してしまいました。母親の死で身寄りがなくなった青年が引き取られた先が、凶悪犯罪一家だった、という話。かなり暴力的な内容ですが、あえてトーンを抑え、いわゆるハリウッド的な派手さが全くないのも好印象です。


7位

ファミリー・ツリー (アメリカ)

アメリカ映画ですが、これまたハリウッドっぽさは無し。事故で主人公の最愛の妻が瀕死となり、その看護の最中に妻の浮気の事実を知る・・・というお話。ユーモアを交えながら淡々と展開が進みますが、“家族とは?” “人生とは?” などと、いろいろ考えさせられます。



6位

哀しき獣 (韓国)

何をやってもうまくいかず、騙され、裏切られ・・・そんなどん底でもがき苦しみながらも、しかし希望を失わない主人公の生き様を見て、精神がヒリヒリしました。この監督は、アクションやサスペンスを交えながらもしっかりと人間を描くことのできる、本当に才能がある方だと思います。



5位

ダークナイト ライジング (アメリカ)

一転、こちらはゴリゴリのハリウッド大作。説明無用、やはりここまでスケールが大きいと、とにかく圧倒させられます。しかし先日、DVDで再び観たらイマイチだったので、3位から5位に格下げしました。やはりハリウッド大作を観るなら、映画館ですね。エンタメとしては文句なしの出来ですが、今回の敵役のベインは前作のジョーカーに比べれば、まるで魅力がなく。悪は悪で、とことん突き抜けていないとつまらないです。


4位

ぼくたちのムッシュ・ラザール (カナダ)

過度なストーリー展開・演出・説明は、一切なし。ひたすらに淡々と、丁寧に “人間” を描いております。感動のラストシーン→あっさりエンドロール、の流れも、潔くてよかったです。一人の人間としても、教育に携わる人間としても、深く考えさせられる作品でした。


3位

別離 (イラン)

登場人物は善良な者しかいないにも関わらず、偶然の事故による勘違いや擦れ違いで人間関係が崩壊していく様が、非常にリアルで心に突き刺さりました。そしてその結果、一番傷ついていたのは子どもたちだった、という・・・。脚本としては、2012年のNO.1の作品です。


2位

孤島の王 (ノルウェー)

おもしろかった!! これまた説明的な要素は全くと言っていいほどなく、物語の “裏で何が起きたのか” は完全に想像するしかないのですが、そのバランスが実にうまい。2時間スクリーンに釘付けで、ついに反乱!の際には興奮しっぱなしでした。


1位

最強のふたり (フランス)

2012年のベストは、結局のところ、この映画です。くわしくは、9月26日の当ブログのエントリーを、ご覧になってください(手抜きではないですよ)。




・・・邦画が1本もないです。私は別に邦画嫌いなわけではありませんが、お金を出してまで観たいという作品がほとんどなく、去年はDVDで5本ほど観ただけですね。日本の映画界には、がんばってほしいと思ってはいるのですが。



2013年も私は映画を観まくるつもりですので、去年以上にたくさんの名作に出会えることを、期待しています。とりあえず今月は、“レ・ミゼラブル” と “LOOPER”、さらに “駆ける少年” を、劇場にて鑑賞する予定です。